書名 |
本標題 |
雅語音声考 希雅 |
本標題ヨミ |
ガゴオンジョウコウ キガ |
本標題ローマ字 |
GAGO ONJOKO KIGA |
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著者 |
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刊・写(地、年) |
刊・写 |
刊本 |
出版地・書写地 |
(尾張カ?) |
出版年・書写年 |
文化13年(1816)
添付紙筒に「文化丙子歳鐫」とある |
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形態 |
特殊装訂 |
四つ目綴 |
数量 |
1 |
存欠の状況 |
全揃 全 1巻 |
書型 |
大本 |
合刻・合写の状況 |
『雅語音声考』と『希雅』の合刻 |
刷り・書写、保存の状態 |
虫損あり |
寸法(縦×横cm) | 23.6×16.2 |
丁数 | 40丁
『雅語音声考』部分12丁・『希雅』部分27丁・著述目録1丁 |
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内容 |
鈴木朖(1764〜1837)の著書。鈴木朖は尾張藩士。優れた儒学者、国学者で、その文法学説は現代に大きな影響を与えている。本書は、古典の用例から発音と意味とが結び付いた理由を説明できる語彙を集めて簡単な解説を施したもの。ふつう、言葉は発音と意味とが理由なく結び付いているが、擬音語や擬態語と呼ばれるものは、発音で、あるものや意味を象徴する。よく観察すると、一般の語彙にもそのような言葉がある。展示した最初の頁では鳥や虫の鳴き声がその名称になった例があげられている。後の方の頁には、息を吹くのはぷっと言う動作であるなどと書かれている。朖は「音象徴」という現代言語学の課題の一つに気付いていたのである。頁の右側、総説の末尾の部分には、石川雅望が同様の考え方(おそらく『雅言集覧』になったもの)を述べているが、これは自分が先に唱えた説である旨が書かれている。朖の学問に対する背筋を伸ばした姿勢がよくわかる。合冊された『希雅』は、漢字の訓読みについて同様に解説したもの。なお、並べて展示しているものは、この本が売り出されたときの紙筒(カバー)である。この本は刊行事情に関する奥付を欠いているが、紙筒に書かれている文字によって1816(文化13)年に刊行されたとわかる貴重な資料である。(「和本の世界」パンフレットより) |
所蔵 |
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書名の注記
<巻頭以外からの場合> |
題簽「合本{雅語音聲考/希雅}全」
背書「雅語音聲考 希雅」 |
出版・書写情報 |
出版者・書写者
(複数の場合、顕著なものがあれば下線) |
永楽屋東四郎(二代)
『尾張出版文化史』によれば、片野善長のこと。 |
出版・頒布・書写等に関する事項の注記 |
序文・跋・奥書・刊記はないが、紙筒に記述があるため年代がわかる |
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印記・識語・書き入れ等 |
1丁オ内題「雅語音聲考 鈴木朖著」
13丁オ「希雅 鈴木朖輯 并自注」
「離屋鈴木先生著述目録」を付す
著述目録末尾「尾陽書肆永楽堂東四郎梓」 |
備考 |
・貼付題簽 子持ち枠 17.1×3.7(cm)
・匡郭有
・表紙朱書き「□列」
・見返しに封筒貼付有
「本書の刊行の時期については、序文、跋、刊記など1切なく、それを/知るよしがないのであるが、刊行時本書の紙筒に「文化丙子歳鐫」とあ/るのによって、それが文化十三年であることがはじめて判明するのである。この/意味で、この紙筒は甚だ重要な資料であり、大切に保存しなければな/らぬ物である。/本書と共に永く伝えられるよう注意してほしい。/昭和五十年十1月日 愛知県立大学教授尾崎知光」
・封筒収蔵の紙筒23.0×16.9(cm)
「合刻/離屋鈴木先生著/雅語音聲考/希雅/文化丙子歳鐫 東壁堂発兌」 |
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影印・翻刻・解題 |
マイクロ資料 |
MF//507
MF//1120 |
翻刻・解題の情報 |
○論文
尾崎知光「鈴木朖の国語学―『活語断続譜』『言語四種論』『雅語音声考』の関連について」(『松村明教授還暦記念国語学と国語史』 pp.47-62 1977/11/10)
○永楽屋東四郎について
岸雅裕「尾張書肆永楽屋東四郎の東都進出について」(『名古屋市博物館研究紀要』7、昭59)
『尾張出版文化史』太田正弘 平7 |
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